リットン「クリスマスクラッカー」フェルレース

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開催地:イングランド・ピーク地方国立公園 リットン村

開催日:2021年12月12日

種目:フェルレース

距離:7.7マイル(12.4キロ)

高低差:1,580フィート(482メートル)

気温:10℃

 

 リットン「クリスマスクラッカー」フェルレースは、イングランド・ピーク地方国立公園内にあるリットン村で毎年クリスマス前に開催される、地元のフェルランナーにはよく知られるレースです。レベルはBM、つまり、勾配がカテゴリーB(キロ当たり20〜25メートル)、距離がカテゴリーM(10〜20キロ)で、いずれも中級レベルです。

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レース当日は、ウォードロウ・ヘイ・コップ山の頂上にクリスマスツリーが登場

 今年は連日の雪で川の水位が上がりすぎたため、恒例のリバークロシング(川のない場所での川の横断)は中止。雪解け水に浸かったあと走り続けられるか不安だったので、正直安心しました。ファンシードレス(仮装)は必須ではありませんが、全体の5分の1程度のランナーが仮装し、クリスマスムードを盛り上げます。

 

 レースは11時にスタート。イングランド・ダービシャー州の小さな村・リットン(Litton)の村役場から出発し、18〜19世紀に栄えた水力紡績工場リットン・ミル(Litton Mill)に向かい下ったあと、美しい野花で知られるプリーストクリフ・リーズ(Priestcliffe Lees)の急勾配の坂を登っていきます。

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プリーストクリフ・リーズを登るトップフェルランナー達

 トップのフェルランナーはどんな急勾配の坂でも走って登っていきますが、私レベルのランナーが走って登るのは無理。理想は速歩きですが、それさえも無理な坂が延々と続きます。フェルランニングは、イギリス北部のタフなアスリートを象徴するスポーツの一つなのだと思います。そのため、普通の人は這わなければ登れないような急勾配の上り坂、リバークロシング(橋のない場所での川の横断)、足を取られエネルギーを吸い取られるぬかるみ、転んだらただではすまない岩だらけの急な下り坂は、フェルランルートには欠かせない要素のようです。

 

 急勾配の坂を登りきったら、次は坂を横切り進んでいくのですが、斜面はとても走りにくく、何度も足首をひねりそうになりました。次に続く下り坂も急すぎて、なかなかペースを上げることができません。トップのフェルランナーは、急な坂を銃弾のように下っていきます。そのためどのレースでも、レース後に血まみれの人を少なくても数人は見ます。

 

 急な坂を下りきったら、今度は本レース唯一の平地トレイル。私にとってはペースを上げられる唯一の場所なので、マイル7分台(キロ4分台)でペースを上げますが、高低差のないトレイルを1マイルほど走ったら、クレスブルック・デイル(Cressbrook Dale)と呼ばれる石灰岩の峡谷に向かい、再び上り坂に入ります。

 

 続いてさらに、ウォードロウ・ヘイ・コップ山の頂上まで勾配50%の壮絶な上り坂を登っていきます。私は這って登りましたが、這わなければならないランニングレースは初めてです。

 

 ヘイ・コップ山の頂上にはクリスマスツリーが飾られていましたが、疲れすぎて楽しむ余裕もありません。ここから一旦下ったあと、またしばらく登り、平地を1キロほど走って、1時間29分でゴールしました。